いわいる音ゲー訴訟と呼ばれているやつです。

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2019/3/11追記:コナミ、ナムコ両社のプレスリリースをすべて載せたかったのですが、半分以上見つかりませんでした。
そのため、ナムコとコナミのプレスリリースが混在している形になります。

ことの発端

1999年6月7日、konamiが「ビートマニア」に関する特許に基づきジャレコの「VJ」に対して製造・販売差止めの仮処分申請を行いました。
これが発端となり、訴訟合戦へとつながりました。

コナミがジャレコ「VJ」の製造・販売中止を求める仮処分を申請

(コナミのプレスリリース)
平成11年6月7日
東京都港区虎ノ門4-3-1
コ ナ ミ 株 式 会 社
VJに対する仮処分申請の件

本日、コナミは、株式会社ジャレコの業務用音楽シミュレーションゲーム機「VJ」の製造・販売中止を求める仮処分申請書を東京地方裁判所に提出いたしました。

コナミは、平成10年7月31日出願(原出願日平成9年9月17日)した「音楽演出ゲーム機及び音楽演出用の演出操作指示システム」と題する発明が、平成11年4月30日、特許第2922509号として、特許庁より登録が認められました。

本件特許に関する商品は、beatmania/ビートマニアの名称で平成9年12月に発売され、以来ユーザー間で好評を博し、現在までシリーズ作で6種類の商品を数え、累計約6,000台を販売している大ヒット作であり、音楽シミュレーションゲームのジャンルを確立いたしました。その特徴は、画面中に設けたトラック上をゲージが上から下におりてくるのに合わせて、トラックの下に設けたボタン及びターンテーブルを操作し、タイミングのズレ度でゲームを競うものであります。

かねてより、基本特許の出願を完了し、その他の諸権利も確立しているということを謹告という形で公告し、注意を呼びかけて参りました。

「VJ」につきましては、特許明細書に照らして詳細に検討して参りました結果、コナミの基本特許を侵害しているとの外部鑑定を得ましたので、(株)ジャレコに対して、警告状を送付して注意を呼びかけて参りました。

このまま放置することは特許の意味を失い、多大の損失を蒙りますので、早期に「VJ」の製造・販売中止を求めるため、仮処分申請を行った次第であります。損害賠償請求等その他の請求については、時間を移すことなく、近々本訴訟を提起することに致しております。

また、既にVJが納入され、現在設置稼働のものについても、撤去を求めるため、然るべき法的措置を執る所存です。

(了)

コナミがナムコに対し、ジャレコ社製ゲーム機「VJ」の撤去と使用禁止を求める仮処分を申請

(ナムコのプレスリリース)
1999年7月23日
各   位
株式会社 ナムコ

7月23日 日本経済新聞(朝刊13面)掲載

弊社に対し「コナミがジャレコ社製ゲーム機の撤去と使用禁止を求める仮処分を申請する」旨の記事に対する株式会社ナムコの見解について

 今回の仮処分申請に当たっては、事前にコナミからは何の問い合わせもなく、突然のことで驚いております。

対象となっているジャレコ社製「VJ」は、今年2月、メーカーであるジャレコから購入し、当社店舗においては9台を設置営業してまいりました。

本来であれば、このような特許の問題は、まずメーカー同士で解決すべき問題であり、今回のようにいきなりオペレーター(施設営業者)に仮処分を提起するコナミの一方的なやり方は、全国の他のオペレーターに大きな不安と混乱を引き起こすものであって、遺憾に思います。

当社においては、店頭での混乱を避けなければならないこともあり、また、コナミの主張を誠意をもって検討するためにも、まずは、すべての「VJ」を店頭から撤去いたしました。

しかしながら、この製品を保有しているオペレーターは他にも多数あるものと思われます。

今回のコナミの強引かつ独善的な行動は、業界が一致団結して不況を乗り切ろうと努力している状況に水を差すものであって、きわめて残念です。

そもそも、対象となっているコナミ特許については、ジャレコからすでに無効審判が提起されているように、その特許性には問題があるものと考えております。

メーカーであるジャレコとも協議のうえ、今後の対応を考えますが、我々としても、コナミ特許は明らかに無効であると考えておりますので、本件コナミ特許に対しましては、近日中に特許庁に無効審判を請求いたします。

以上

コナミがナムコに対し「ギタージャム」の製造及び販売の差し止めを求める仮処分申立てを行なう

(ナムコのプレスリリース)
1999年8月9日
各   位
株式会社 ナムコ

当社製業務用ギターシミュレーションゲーム「ギタージャム」の製造及び販売について、コナミ(株)が差し止めを求める仮処分申立てを行なったことに対する当社の見解について

株式会社ナムコが本年8月5日(木)に発売を開始いたしました業務用ギターシミュレーションゲーム「ギタージャム」 について、コナミ(株)が同社特許第2922509号に基づいて、本日同機の製造及び販売等の差し止めを求める仮処分申立てを行なったとのご連絡を報道各社から頂戴いたしましたので、本件についての株式会社ナムコの見解を下記のとおりご報告申し上げます。

コナミ(株)はジャレコ製音楽ゲーム「VJ」のナムコ店舗からの撤去と使用禁止を求める仮処分申請(申請日:本年7月23日)に続き、今回も事前には当社に対し、何の問い合わせなく及び連絡もなく仮処分申請を行なったことになります。 当社としましては、当社製品「ギタージャム」が、上記コナミ特許を侵害しているとは認識しておりません。

また、当社では、コナミが独善的に主張しております特許第2922509号は、その特許出願前に頒布された国内外の多数の刊行物に記載の発明と同一であり、特許法第29条第1項3号の規定により特許を受けることができないものと確信しております。 既に、本年7月30日、特許庁に同特許に対する無効審判を請求いたしました。 コナミの利己的かつ一方的主張に対しましては、特許庁及び司法の場におきまして、徹底的に争っていく所存でこざいます。

以上

コナミがナムコに対し「ギタージャム」の使用等の差し止めを求める仮処分命令の申立てを取り下げ(1999年11月10日)

(コナミの1999年11月10日のプレスリリース)

コナミは、平成11年7月23日、株式会社ナムコを債務者として、コナミが有する 「音楽演出ゲーム機及び音楽演出用の演出操作指示システム」と題する特許第2922509号を 非保全権利とする、株式会社ジャレコ製のゲームセンター用音楽シミュレーションゲーム機 「VJ」の使用等の差し止めを求める仮処分命令の申立てを東京地方裁判所に対して行いました。

この申立てによる裁判所での審尋の過程において、ナムコは使用していた「VJ」を自発的に 全て撤去し、その裏付けとなる資料を提出し、コナミも上記撤去の事実を確認いたしました。 これにより、ナムコに対し「VJ」の使用の差止を求めるという仮処分の目的を達したため、 本日、仮処分命令申立の取り下げをいたしました。

今後においても、上記商品に限らず、本業界の秩序ある発展に資するため、コナミ株式会社の 持つ知的財産権に対する侵害を排除すべく、然るべき法的措置をとっていく所存でおります。


両社は最終的に和解

(ナムコのプレスリリース)
平成12年 7月 3日
報道関係者各位
知的財産権係争事件に関する合意について
株式会社ナムコ
コナミ株式会社

株式会社ナムコ(社長:中村雅哉、以下ナムコ)およびコナミ株式会社(社長:上月景正、以下コナミ)は、両社間でこれまで争ってまいりました係争事件について真摯に協議を重ねました結果、それぞれが有する知的財産権を相互に尊重し、この問題を解決することに合意いたしました。

両社は、これまで、それぞれの特許権が侵害されたとして、約1年間にわたり、裁判所および特許庁において争ってまいりました。

しかしながら、デジタル・エンタテインメント業界において共に責任ある立場にある両社が長期間にわたって争いを続けることは、業務用アミューズメント市場および家庭用ゲームソフト市場の混乱を招くだけでなく、業界全体の発展にとってかならずしもよい影響を与えるものではないことに、両社とも深く憂慮しておりました。

ここにおいて、両社は、それぞれの利害を超えて、真摯かつ友好的に協議を行いました結果、上記のとおり、互いに、協議によって係争状態に終止符を打つことで見解が一致し、東京地方裁判所および特許庁に係属している係争事件を取り下げるとともに、完全に対等な条件によってこの問題を解決するに至りました。

ナムコおよびコナミは、今回の上記合意が、将来、当業界における様々な知的財産権問題の合理的かつ友好的な解決に資することを願っております。また、両社は、当業界全体において重要な懸案となっております海外における知的財産権問題、とりわけ、東アジア諸国における模造品・模倣品問題の解決にも、協調して対処していく所存であります。

以上

訴訟合戦の時系列

1999年6月7日
コナミが「ビートマニア」に関する特許に基づき、ジャレコに対して「VJ」の製造・販売差止めの仮処分申請
1999年6月21日
ジャレコが、コナミに対して無効審判を請求
1999年7月23日
コナミが「ビートマニア」に関する特許に基づき、ナムコが運営するゲームセンターから「VJ」の撤去を求めて仮処分申請。ジャレコへの仮処分申請は取下げ
1999年8月6日
ジャレコが「早押クイズ王座決定戦」に関する実用新案に基づき、コナミに対して「ドレミファグランプリ」の製造・販売差止めの仮処分申請
1999年8月10日
コナミが「ビートマニア」に関する特許に基づき、ナムコに対して「ギタージャム」の製造・販売差止めの仮処分申請
1999年8月19日
コナミが「ビートマニア」に関する特許に基づき、ジャレコに対して「ロックントレッド」の製造・販売差止めの仮処分申請
1999年10月27日
ナムコがPS用リッジレーサなどにおけるミニゲーム特許に基づき、コナミに対してPS用「実況パワフルプロ野球’99 開幕版」の製造・販売差止めの仮処分申請
1999年11月10日
コナミが、「VJ」に関してナムコに対する仮処分申請を取下げ
2000年7月3日
コナミとナムコが和解
2000年12月18日
コナミとジャレコが和解

YAHOOジオシティーズより(2019/3/7)
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/7506/game_cases3.html

音ゲー訴訟まとめ

  1. コナミがジャレコの「VJ」に対して製造・販売差止めの仮処分申請
  2. (ジャレコはVJを破棄してコナミが仮処分申請を取り下げました。)
  3. VJを自社店舗で使用しているナムコに対してコナミが撤去と使用禁止を求める仮処分を申請
    ※ここからおかしくなりました。
  4. ナムコが反論
  5. コナミがナムコ製のゲーム機に対して製造・販売差止めの仮処分申請(ナムコの反論に対する報復)
  6. 両社はそれぞれが保有するゲームの特許を基に報復訴訟合戦へ突入
の流れです。

2019/3/8追記:コナミVSナムコ、ゲーム機特許訴訟合戦の裏側(ロケーションの動きを含めた流れ)

(ロケーション=ゲーセン店舗という意味です。)
コメントで教えていただきありがとうございます。
(少し時系列がずれている部分があります。)
  • 1987年、コナミがナムコが発売した「源平討魔伝」(1986年)をパクった作品「月風魔伝」を発売
  • 1999年、コナミが発売したビートマニア(1997年)、ダンスダンスレボリューション(1998年)は対戦格闘ゲームに代わってゲームセンターの主力となりつつあった
  • セガ、ナムコは自社ロケーション向けに音ゲーを開発
  • ナムコが自社ロケーション導入したジャレコ製の「VJ」が曲選の良さなどもあって人気が出る
  • ジャレコ「VJ」において、コナミがジャレコに対し訴訟へ
  • セガ、ナムコ、タイトーが「VJ」の足版である「ステッピングステージ」を大量導入
  • コナミは自社製品の類似音楽ゲームを徹底的に排除する構えをとる
  • ジャレコが「ステッピングステージ」の商標をとっていなかったため、コナミは「ステッピングステージ」の商標申請を行う(最終的に商標は取れていません)
  • コナミは99~00年にかけてゲーム関連だけでなく出版社関連の商標などを多数申請しています(コナミ商標ゴロ)
  • ジャレコが「ステッピングステージ」の名称を変更
  • さらにコナミが音ゲー関連の特許を多数取得し、その中にステッピングステージで用いられているシステムがあった。そのためジャレコはステッピングステージの一部システムの変更。
  • タイトーは自社ロケテにジャレコ製音楽ゲーム機を撤去して、コナミ製音楽ゲーム機を導入。セガ、ナムコは自社ロケーションは強く、自社開発作品も進んでいるのでジャレコ製の音楽ゲーム機の導入を継続
  • コナミはナムコに対し、ジャレコ製の音楽ゲーム機の撤去と使用禁止を求める仮処分を申請する
  • この年(1999年)コナミは日本野球機構と野球選手および球団の実名を使用したプロ野球ゲームの発売権利を独占契約する
    (2003年4月22日には他ゲーム会社とのサブライセンス契約を遅延させる、契約を行わないなどの方法で他社の野球ゲーム機の発売を中止、もしくは遅延させる行為を行っていたとして独占禁止法違反で公正取引委員会から警告を受けています。)
  • 1999年10月27日、コナミVSナムコの訴訟合戦は家庭用ゲーム機の特許にまでも波及
  • 2000年、コナミの野球ゲーム独占によりスクウェアの野球ゲームが発売延期に(スクエアは同年年8月にコナミとサブライセンス契約を締結しソフトは発売しています。)
    また発売延期の理由に元々はコナミの独占が及ばない期間に発売予定だったが、単純に開発が遅れ、コナミの独占期間に発売がずれ込んでしまったことも原因です。
  • 2000年7月、コナミとナムコが和解
  • 2000年10月25日、コナミは「ゲームファンド ときめきメモリアル」を発表、同年11月9日から12月20日にかけて募集を行う(申込みは予想より少なく、さらに償還額が投資額を下回り元本割れ)
    ※手数料と税金を考慮しなければ償還額は投資額を上回っています。
    コナミが発表した「1口10,000円に対して償還額は10,088円」というのは手数料と税金は考慮されていません。
  • セガ、ナムコ 物流事業統合に向けて業務提携
  • ジャレコは「VJ」を破棄、さらにロケーション運営から撤退し韓国企業に買収されたこともあり、2000年12月、コナミはジャレコと和解。
  • 2001年2月21日、ナムコは太鼓の達人を発売、大ヒットへ
  • 2001年9月20日、ナムコ、セガはアミューズメント事業分野における包括業務提携に合意
  • 2002年2月18日、ナムコ、セガは任天堂とともに新型ゲーム基板「トライフォース」の共同開発に関する業務提携に合意
参考
http://ken197x.net/boycott_konami/index.htm
ボイコットコナミより(2019/3/8)

参考:KONAMIの商標ゴロ(2019/3/11追記)

コナミは他社の製品名などを商標登録・登録申請していた。
【代表的なもの(2000年頃のもの)】
  • デジタルビッグコミックスピリッツ
  • デジタルヤングジャンプ
  • 機動警察パトレイバー
  • スラムダンク
  • ホワイトベース
  • BB弾
※申請したが登録されなかったもの、現在では取り消されているものもあります。

参考
http://ken197x.net/boycott_konami/
ボイコットコナミより(2019/3/11)

他社の製品名などの商標を取った社員には5万円が支給

商標登録を取りまくっていたコナミ

高橋信之氏(以下、高橋):これ、言っちゃっていいのかな。まあ、いいか(笑)。

岡田斗司夫氏(以下、岡田):もう言っちゃったから、しょうがないっすよ(笑)。

高橋:今は伝説なんですけど、コナミという会社は、「機動警察パトレイバー」という商標を取ってたんですよ、その昔。

岡田:えっ! すごいなあ!

高橋:あれは東北新社とバンダイビジュアルと小学館じゃないですか。あとネットギアとか。「何取ってんだよ!」と。

当時、コナミは取れそうな商標を申請して、その商標が取れたら社員に5万円、報奨金が出ると。社員がみんな「おこづかい、もらえる!」って、いろんなの考えついて調べて出すと5万円もらえるっていう。もうバカスカバカスカ商標を取ったんですね。

https://logmi.jp/business/articles/137282
logmi.bizより(2019/3/11)

コナミは攻撃的な商標登録を行っていました。

両社の確執

ナムコの運営するゲームセンターではコナミの音ゲーの新規導入はしばらく見送られることとなります。
セガも同様に2016年までコナミの音ゲーの新規導入はされませんでした。

しかし現在は各社コナミのゲーム機の導入がなされており、2018年末にはタイトー、コナミ、セガ、バンダイナムコの4社共通企画のアミューズメントICも登場しました。
アーケード業界も全盛期を過ぎ、現在は厳しい局面を迎えていますので、流石にいつまでも確執を抱えたままでは業界の利益になりませんよね。

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管理人

ナムコのプレスリリース文を見つけたので記事にしてみました。
コナミのジャレコに対する仮処分申請は一応理解できますが、その後の行動については全く理解できませんね。
ナムコのプレスリリースの通り、業界にとって悪影響しかなかったでしょうね。
さらに小島プロダクション解散騒動ではメタルギアファンから死ぬほど嫌われましたね。