本日掲載された産経の記事を見て「バーバーカット」の小型版の機種のマニュアルを持っているので少しだけブログで解説してみました。
ただしあまり期待しないでください!
warumono2

・産経WESTより
絶対取れないクレーン型ゲーム機 裁判で浮かんだ手口とは

 「もう少しで高額の景品を獲得できる」「これまでに失敗した分を取り戻したい」-。こんな客の心理を巧みについた悪質商法が繰り返されていた。大阪・ミナミのゲームセンターで、クレーン型ゲーム機を景品が取れないように設定し、客から代金をだまし取ったとして詐欺罪に問われたゲームセンター運営会社社長らに対する裁判が、大阪地裁で開かれた。公判で明らかになったのは、簡単に景品をゲットできるとウソの実演をし、その上でゲーム機の設定を変更。なのに次々とプレーするようあおって多額の代金をつぎ込ませる、ゲーセンの「蟻地獄」だった。

「あとはお兄さんの気力です」

 判決によると、社長の男は従業員らと共謀。平成29年10~12月、大阪市中央区の店舗で、1回千円から5千円のクレーン型ゲーム機で簡単に高額商品を獲得できると思い込ませ、男性を含む客8人から計約123万円をだまし取った。

 このうち29年10月9日は、従業員がこんな言葉を投げかけ、男性客をあおっていたという。

 「練習通りにやったらできますよ。今やめるともったいないです。あとはお兄さんの気力です」

wst1807110006-p1
警察が押収したクレーンゲーム機や景品 

この日は祝日ということもあって、大阪・ミナミは国内外からの観光客や若者たちでにぎわっていた。

 道頓堀の一角にあるゲームセンターで男性客が遊んでいたのは、クレーン型ゲーム機。ボタンを操作してハサミを動かし、つり下げられたひもを切って人形を落とすと、人気の家庭用ゲーム機などが手に入る-という触れ込みだった。

だが、男性客がゲームを始める前から、罠は仕掛けられていた。

落とす実演→落とせない設定に変更

 店の従業員は、ひもを切り、人形を落とす様子をいとも簡単に実演。続いて男性客に練習させ、ひものある場所でハサミが停止し、ハサミの刃がひもに当たることを確認させた。

 こうした「成功体験」もあり、男性客は何度も何度も、あきらめることなくチャレンジした。だが、一向にいっこうにひもは切れなかった。

 タネを明かすと、実際に代金を支払って遊ぶ段階では、従業員はゲーム機に取り付けられたスイッチを押して密かに設定を変更。狙ったタイミングでハサミが止まらないようにする機能を作動させるのだ。さらにつり下げられた人形も、従業員の実演では重りが入ったタイプだったのに、軽い物にすり替えていた。

1人で50万円つぎこんだ被害者も

 検察側の冒頭陳述では、従業員らの“連係プレー”の様子も描かれた。

 《従業員は客に無料券を渡して遊ばせた後、「もう1回成功したらぬいぐるみをあげる」などと持ちかけ、1回数百円のクレーン型ゲーム機で遊ばせる。成功できないでいると、「景品を追加する」と1回千円のゲーム機を勧めた。脇では別の従業員らが「惜しい。もう少し」。社長も「成功すれば●●(商品名)も付ける。串カツもおごる」と加勢した》

 あの手この手で巧みに嵌(は)められた客らは、景品を手に入れようと熱中するあまり、おのずと大金を投じるように。検察側は冒頭陳述で「経営する店の中には年間約3億5千万円を売り上げた店舗もあった」と指摘。一方、判決は、被害に遭った客のうち多い人は十数万~五十数万円をだまし取られたとした。

店舗ぐるみの常習的犯行

 今年6月の判決公判。大阪地裁は「犯行は店舗ぐるみで常習的」として社長に懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年6月)を言い渡し、元従業員3人はいずれも懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)とした。

 検察側は冒頭陳述で、社長について、28年ごろからゲーム機の卸会社に依頼し、景品を取れたり取れなかったりする機能のスイッチを機械の手前に取り付ける改造を施してもらい、経営する店舗で使っていた、と主張。「1日の売り上げを100万円以上に設定し、従業員らに指示して犯行を重ねていた」と主導的役割を担っていたと非難していた。

 この点、判決も「卸元に注文して設定を変更するスイッチを押しやすいところに付け(た)」「客をゲーム機に誘導するタイミングを従業員に指導するなどした」などと認定。社長の刑事責任は従業員に比べて重いとした。

 「高額の商品を次々と上乗せして射幸心をあおり、後には引けない客の心理を巧みにつき、何度もゲームをさせた」

 判決は事件をこう総括した。

https://www.sankei.com/west/news/180711/wst1807110006-n2.html
産経WESTより(2018/7/11)
プレイ料金1回千円から5千円とのことですが、法令上、紙幣投入装置を備えたゲーム機は違法になります。
この規制は過去にゲーム機が賭博機に転用されたこともありますので、その対策や、プレイ料金が高額になりすぎない(射幸心を煽らない)ようにするためだと思います。
しかし客が店員に手渡しで紙幣を渡すことは法令違反とはなりません。
プレイ料金の上限においても規制はありませんので、この点においては違法ではありませんが、かなり怪しい運営であることはこの時点で分かります。

ゲーム機の仕様については、本来はコイン投入口の扉を開けるとこのようなサービスパネルがあり、リセットや一部の設定を行うためのスイッチはここについています。
※サービスパネルの図は「バーバーカット」の小型版の機種のイラストとなります。
実際に詐欺で使用されたのは「バーバーカット」のフルサイズ版の機種となります。
小型版とフルサイズ版ではボタン配置、操作などが若干異なります。
「バーバーカット」の小型版の機種を例に説明します。
基本的な機能は一緒のはずです。
コンパネ
・プレイ回数の積算値のリセットはこのサービスパネルのリセットスイッチ、サービススイッチを特性の操作をしながらおすとリセットされます。
(スイッチを一つ1回押すだけでリセットできるようにするような改造は理論上は可能です。
ただし、こういった改造がされていたのかは不明です。)
・ペイアウト(確率)の設定(0~F)もこのパネルのロータリースイッチで行います。

下は設定表の画像です
スクリーンショット (299)
ペイアウト制御モード(確率機モード)がONの状態で
ロータリースイッチを0に合わせたら(設定0にしたら)20回の設定となります。
(初期設定はB:350)
確率機自体の仕様の説明はここでは省きます。
知りたい方は下記記事を見てください。
参考:【業界の闇】確率機について
特定回数に至るまでは絶対に獲得できませんが、何回やっても絶対取れないということは基本的にはありません。
しかし設定F:999は1回100円で10万ですね・・・・・

リセットと難易度設定はサービスパネルで行いますが、その他の細かい設定はメインPCB(メイン基板)上に取り付けられたスイッチで行います。
これもコイン投入口の扉を開けたところにあります。
こちらは完全にしゃがんで設定変更作業することになると思います。
DIPSWが2個ついており、それぞれ8個スイッチがあるので合計16個となります。
それぞれのスイッチのオン・オフの組み合わせで設定を行います。
ここでは
・ペイアウト制御モード(確率機モード)のオン、オフ(有効化、無効化)
・デバッグ情報
・その他
が設定できます。
DIPSWはかなり小さく、さらに8個のスイッチは隣同士密集しているので設定変更しにくいです。(押しにくい。)
詐欺目的にかかわらず、改造してスイッチを押しやすいところに取り付けたいと思うことは特におかしいことではないかなと思います。
ただ普通は頻繁に変更するような設定項目ではないのは確かです。

実際に取り付けられているものではありませんが、DIPSWはこういうものです。
DIP_switch_01_Pengo

ボタンの配置変更のみ行われていたのなら(プログラムの書き換えなど基板改造はしていないなら)
スイッチを上のガラス扉内のフィールドや景品展示スペースに分からないように移動、取り付けをして
・リセット
・ペイアウト制御のオン、オフ
これらを行っていたのかなと思います。
ガラス扉を開けて景品を追加したり店員のデモプレイ終了時に行っていたんでしょうね。

最後に、「怪しいゲーセンには行かないようにしましょう。もし入ってしまってもすぐに出ましょう!」